比較的よく遭遇する症状の中から、放置すると危険な場合がある症状について記載させていただきました。放置すると危険な症状をすべて網羅している訳ではありませんので、御了承ください。
耳の症状
子供が、よく耳をさわる
中耳炎では?
この場合、多いのは、耳の中がかゆい、あるいは痛いです。
かゆい場合は、外耳湿疹、痛い場合は中耳炎、外耳炎が疑われます。
すぐに耳鼻科を受診しましょう。
子供が、テレビの音量を大きくしたがる
難聴では?
難聴の可能性があります。親が音量を普通に戻すと、テレビに近づいて行きます。
子供は親の呼びかけを無視することがあるので、呼びかけても反応が悪い場合は、
必ずしも難聴とは限りません。一番正直に反映されるのは、テレビの音量です。
耳閉感
自覚し難い低音部の難聴では?
高い山に登った時に起こる、耳をふさがれたような不快感です。
中耳と鼻の奥をつなぐ管(耳管)の障害によっても起こりますが(耳管狭窄症、耳管開放症など)、難聴が潜んでいる事も多いのです。最近、多いのは低音部だけに聴力低下がある、低音障害型の難聴です。会話領域の中音部が正常なら、難聴は自覚し難いです。また、耳閉感にめまいを伴うようなら、メニエール病の可能性もあります。
耳閉感を感じるようになったら、耳鼻科を受診しましょう。
臭い耳漏
怖い真珠腫では?
慢性的に耳漏を繰り返す場合は、慢性中耳炎の可能性があります。耳漏が臭い場合は、真珠腫性中耳炎が潜んでいる危険があります。真珠腫とは、腫瘍ではありませんが、徐々に大きくなり、中耳を壊し、さらには内耳も壊し始めます。内耳に穴が開き、リンパ液が漏れだすと、めまいを生じ、聴力も急激に低下します。
早めに耳鼻科を受診して、真珠腫ではないか、診断してもらいましょう。
鼻の症状
子供の、悪臭のある濃い鼻汁
鼻内異物では?
鼻内に異物がある可能性があります。異物が長期間入っていると悪臭を生じます。
子供は鼻や耳に物を入れてしまう事があります。
長期に続く鼻閉
蓄膿症になっているかも
鼻汁は多くないのに、慢性的に鼻閉が続く場合には、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎の可能性があり、その両者が合併している事も多いのです。嗅覚障害を伴う事もあります。鼻閉を放置していると、鼻内にポリープが出来て、それが徐々に大きくなる事があります。外来での内服治療で鼻閉が改善する場合も多いので、耳鼻科を受診しましょう。
鼻の入り口の発赤、痛み
かぶれではなくウイルスかも
鼻汁が多い時に、入り口の皮膚がかぶれて起きる場合もありますが、意外に多いのは、ウイルスによる炎症です。単純ヘルペスの場合が多いのですが、痛みが強ければ、帯状疱疹もあります。皮膚のかぶれに対する軟膏塗布が効果なければ、ウイルスを疑い、耳鼻科を受診しましょう。